hydeを除く3人のバンドメンバー。
彼らはこそこそと密会していました。
【ゲーム】
「おはよー…って、あれ? みんな早くない?」
「あ、hyde! おはよーさん♪」
「おーhyde。おはよー」
「おはよう」
…なんか。
いつもどおりやのに、なんか違和感。
変なの。
「なぁ、みんなさっき何話してたん?」
「―――あ、何でもない何でもない」
「そうそう。な、ユッキー」
「うん、hyde君は気にしなくていいよ?」
気にしなくていい、てゆわれても。
おれひとりだけ知らないのなんてやだし。
「…おれだけ仲間はずれなん? 気ー悪いわ…」
「大丈夫大丈夫! そのうち解るから」
「…てっちゃん、この前もそーやって誤魔化してたやん」
「今回は大丈夫やって、な? ほら機嫌直してや☆」
「…やだ」
「――…じゃあ、ほら、みんなでゲームせぇへん?」
「……ゲーム……?」
「そ、ゲーム。えぇやろ? みんなも」
「えぇよ〜。それでhydeの機嫌が直るんやったら」
「別に構わないけど」
「よーし、じゃあやるか!」
「えぇけど…何するん?」
訊くと。
てっちゃんはにーっこり笑って。
「王様ゲーム」
…なんでそんな宴会ゲームが飛び出したのかはわからない。
けど。
やらないほうがいいような気がする。
どうしよう…。
さっきえぇけど、なんてゆっちゃった手前、断りにくいし。
そんなことを考えてたら、3人はもうすでにわりばしに数字を書いている。
…早い。
たぶん、これ。
計画してたんやないの?
「おまたせ〜☆じゃ、hyde最初に引いてえぇよ?」
あぁ。
もうすでに。強制参加させられてる。
仕方なくわりばしを1本取る。
番号は1。王様が良かったなぁ、なんて思ってたら。
みんなすでに引き終わったらしい。
「じゃあ…王様だれ〜?」
「…あ、俺」
「え――〜、ユッキー? やだー!」
「ハマりすぎで恐いっちゅーねん!」
なんであの幼馴染コンビはあぁもノリノリなのか。
さっぱりわからへんわ…。
「王様にはぜったい服従、だよね?」
…なんかユッキーまで楽しんじゃってると思うんやけど。
「じゃあ…定番ネタだけど、2番と3番が1番にキス」
……あ。
いちばん、おれやんか。
もう2も3も解るやんか…。ややなぁ。
「俺2番〜☆1番は?」
「おれ…」
「良かった――!! kenちゃんが3番でよかった!」
「何やソレ! 怒るで!?」
…ふたりに、キスされるん…?
別にいややないけど。
なんか遊びでキスされんのはややなぁ。
まぁ此処でいやーいうたらてっちゃん泣くだろうしユッキー怒るだろうし。
我慢、するか(さりげなくkenちゃんスルー)。
「じゃ、hyde、眼ーつぶって?」
「…はいはい」
眼をつぶったら。
押し倒された。
「うわっ!? ちょお待って! キスだけやないの!?」
「だからキスするやん。なぁ?」
「なー」
「押し倒す必要なんて…っ」
「いいからいいから☆」
「大人しくしてなあかんでぇ?」
「ヤーダー! 変態! 髭! 厚底――ッ!」
いつもならこれだけゆえば引き下がるのに。
今日はふたりとも強気で。
暴れれば暴れるほど押さえ込まれて。
もう、無理だ。今日はもう。
そう思って抵抗をやめたら。
「なーんだあ。張り合いなくなってもーたわ」
「まぁこのまんまでも可愛ぇけど、やっぱなぁ」
「ふたりともお疲れ〜。楽しませてもらったよ」
……張り合うな。
やっぱ、て何や。
つーか楽しむな。
「―――〜っなんで急にこんな話になんねん! おかしいやろ! ストーリー性がない!」
「hyde君hyde君。妙に現実的だから、それ」
「そんなんどーでもえぇの! なんでこんな打ち合わせたみたいな展開やったん!?」
「「「打ち合わせたもん」」」
…は?
そんな。
さらっとゆわれても困るんやけど……。
あ。
「…もしかして、さっき話し込んでたのって……」
「「「正解。」」」
「いやー、面白かったで?」
「俺らユッキーが王様って解ったらユッキーに番号教えたんよ」
「だからhydeがあーゆーコトになったわけ」
なんだ。
おれ。最初からハメられてたんや。
そう解ったらだんだんムカついてきて。
「……」
「あれ? hydeー…? 怒った…?」
「もういい! おれ帰る!!」
「は!? ちょっと待てや! ついさっき来たばっかやん!」
「あんなことされたら怒るにきまってるやろ!」
「そんな…っ! kenちゃんショック!」
「「「ウザイ」」」
「ショック!!!!!((゚Д゚;))」
「とにかく! おれはもう帰るからな! 二度とあんなことすんなよ!?」
「ちょ…待っ…;;」
「うっさいわ髭! 厚底! 骸骨! 髭!」
もー知らん。
ムカつく。
「…俺、さりげなーく2回いわれてへんかった…?」
「それはいいとして…怒っちゃったよ? どーすんの?」
「うーん…まぁhydeやし。大丈夫やない?」
「やっぱ? きっとそのうち寂しくなったらこっち来るよね」
「…おーい…。俺は…?」
「…やっぱ、ちょっと言い過ぎたかな…。明日謝ろ…」
果たして。謝る必要は在るのでしょうか。
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